日曜の午前のグループホームは、みなさんが食堂に出てきていてテレビをみていたり、雑誌を読んでいたり、歌を歌っていたり。
介護士さんのお手伝いで、洗濯物を畳んだり、シーツを畳んだりしています。
若い方でおそらくは60歳代?くらいでしょうか。
いろいろ事情があり、グループホームに入らざる得ない状況になっているのですが、むしろグループホームに入れてよかったと僕は思います。
入れなかったら、うちの母なんかはどうなっていたことでしょうか。
一人で住んでいた時には毎日3回、母の家に通っていたんです。
朝にご飯を作りにいき、昼に様子を見に行き、夜に仕事が終わって様子を見に行く。寝るまで一緒にテレビをみたり、お話をしたりごはんを食べたり。スーパーの総菜を買ってきたり、出前も頼んで食べたこともありました。
そんな日々が3年続きました。
僕がたまたま建設したマンションの一階にうちの治療院があり、二階を母用に作り入れたからなんです。
素晴らしい状況をきっと運がよかったとしか言えないのですが、銀行もお金を貸してくれ運よく建設することができたのです。
その前は、母は父が亡くなってからというもの、一人で4年は住んでいたのです。
実家に一人で母が住んでいた時に、冷蔵庫のものがどんどん増えていく、しかも古いものがまったく手を付けられないまま放置され冷蔵庫がいっぱいになっていくんです。
僕が気が付いていなかったわけではないのです。
見て見ぬふりではないですが、母に冷蔵庫の牛乳が4本もはいっていたからそんなに飲まないだろうから古いのは捨てるよ。もう買わないでね。というと、そうそう間違ってしまってさ~っと認知など疑わせないレベルの会話ができたので、気をつけるようにねと言ってそれで終わっていたんです。
気が付いていたのに、それが軽度であったりふつうになんでもない日には会話ができるので安心してしまっていました。
安心は自分の安心であり、母の認知は確実に進んでいっていたのです。
母の実家にある日、キッチンに異常なくらいにハエが飛んでいたことがありました。
え?なぜ??
そこにはハエ用に殺虫剤があり、母が殺虫剤のフマキラーをまいていたのがわかります。
そのレベルではないハエでした。
それはオーブントースターに放置された生の魚にたかったウジが原因でした。
母は忘れていたのです。