ちょうど昼に雨が少し降りました。やはり秋の空ですね。変わりやすいです。
昼休みに母のところにいくと、母は歯磨き中でした。
とりあえずは、僕は母の部屋にいき、終わるまで待っていると、両手をあげて介護士さんに車いすを押してもらいながら部屋に入ってきます。
世界陸上~!!と。
すいません、お騒がせしてすいません。
そう言うと、介護士さんはいえいえ、楽しくていいですよ。私も笑っちゃいました。
そう言ってくれて助かります。
もともとは冗談が好きな人ではありましたが、認知になってからもこんな風になるとは思っていませんでした。
あんた、明日は墓参りいくのかい?
うんうん。明日はお彼岸だからいくつもりだよ。
そうか、私はもう行ってきた。
え?そうなんだ。
母の中では行ったつもりのようですのでそのまま話を続けます。
もう来なくていいと言っていたよ。
そう?まあ、忙しいときには無理していくつもりじゃないけど、休みだし言ってくるよ
そうか、それなら言っておいで。雨じゃないといいけどね。
そうだね。雨男だから雨かもしれないけど、風させなければ大丈夫だよ。
私は最後まであんたのお父さんが何を考えているのかわからなかったな。
え??そうなの?
あんたはわかっていたかい?
いやいや、親だからね。だからそんな風には思ったことはないよ。ただ父おやならこういうだろうなとかは考えたよ。
そうかい・・・発想がとっぴでね。びっくりすることを平気でいうから。
そうなんだね。
仕事を突然に辞めてきたりね。相談ってことがなかった。妻として相談されないことはつらいことだったよ。
そうなんだ。
男性はなんでも一人で決めることが美徳と考えるのかもしれないけど、それはダメだよ。相談というのは共有だからね。共有は家族でするものだ。
一人で背負うとか、かっこいいって思うのかもしれないけど、なんもかっこよくない。むしろ家族は無視された気分になるものだよ。
そういう事があったんだね。
何度も何度もあった。
そうか・それは知らなかったな・・・子供の目線でしかないからさ。僕の目線では見えなかったよ。
そうなんだね・・あんたなら気が付いてると思ってた。あんたは子供のころのほうが鋭かったからね・・・
そうなんです。大人の時よりも僕は子供の時のほうがとよく母が言ってました