今日は午後からなので、午前は母の入所している施設に伺います。

若干、人数が少ないようなので聞いてみると、数名はコロナで入院している模様。

何名かは悪化して診られなくなったようですね。

 

そういや、先日患者さんに前はお薬だしていましたよね?やめたんですか?と聞かれました。

そうなんです。ここの引っ越ししてきたのは3年前です。その時に薬店を閉めることにしていました。

10年以上もやっていたのですが残念なことです。

 

 

理由を聞かれますが、少し順を追ってお話してみます。

上海の大学病院では中医師としての研修をしていましたが、刺絡科に配属になったのを契機に刺絡治療に傾倒したのは以前お話しました。

ただ、中国のほかの中医師たちはみな、薬の処方もしていましたし、鍼灸治療をする中医師でも漢方薬との併用を基本的にはしていました。

僕も一緒に研修をしましたし、薬の勉強もしました。なので、日本に帰ってからやれないかなと思っていました。

日本では薬剤師以外にも薬を扱う職業が存在しました。

医師はもちろん薬を扱えるのは扱えるとして、調剤はできなくても患者さんに薬を出す資格、登録販売者というのがあったのです。

昔の薬種商が名称が変わったものと考えてもいいのですが、売薬で1種以外の2種、3種であれば販売可能です。漢方薬は二種、もしくは3種になりますので出せることになります。

 

それでこの資格を取ろうと、色々調べると筆記試験に加えて実務経験2年以上が当時の資格取得条件でありました。

 

自分で開業して、朝9時~夜は7時までは開業してるし、実務経験の条件が月に80時間でした。

つまり8時間勤務であれば10日間、4時間勤務であれば20日間は薬店での販売実務が必要でした。

 

今は緩和されているようですが、当時は絶対条件でした。

 

うーん・・・夜中に薬を売ってる薬局でバイトをして2年の実務経験を積むか・・・

そう思っていたところ、いい方法をみつけました。

それが置き薬の、販売員は実務経験になるが、時間数に制限はないと書かれていたのです。

これだ!

そう思った僕は、置き薬の販売員になり、実に2年間の間町内をひたすら歩き、薬を置かせてもらったのです。

患者さんでも置いてくれる人がたくさんいて、その総数は70軒。

 

二か月に一度はチェックの後に売り上げを上げて会社に出すという作業を繰り返したのです。

 

続く