円形脱毛症は突然に頭部に限局性の斑状の脱毛が発生し美容に影響する疾患である。
この疾患は青年期に多く現れる。
ハゲは円形や楕円形で数も一定せず大きさもふぞろいで局部の皮膚は正常で自覚症状もない。
その原因は現代医学でも今だわかってはいないが、自己免疫や遺伝と関係があると思われ、精神的な要因で誘発されたり悪化したりする。
中医学では円形脱毛症が油風に属し俗には、鬼剃頭と呼ばれる。清代に医宗金鑑に局部を刺絡して、治療する方法が書かれている。この方法は現代に鍼灸の円形脱毛症の治療としてよみがえり、20世紀の1950年代から60年代にかけて皮膚鍼で脱毛部分を叩刺し、かなりの効果を上げている。
現代ではより効果を上げるために、局部刺絡とともに電気を流したり、刺血療法や穴位療法 レーザー照射なども応用されている。
本病に対する鍼灸は効果が高くこれに精神的なフォローアップが重なれば治癒率はかなり高い。
現在の有効率は85%程度である。
鍼灸での脱毛症のメカニズムはほとんどの方が微小循環障害をもっており、その改善をすることで毛包の血液の栄養障害を治して毛球細胞の分裂運動を促進させる
治療——————–
●電気鍼
主穴:阿是穴 陽性反応点 風池 百会
配穴:太淵 内関 頸部 仙骨部 腰部
陽性反応点の位置 多くは脊髄の両側にあり、触ると紐状や、結節状 スポンジ状の柔らかさを感じる反応点
圧ぱくしてだるい、痺れる 腫れぼったいなどを感じる。
治療方法——————–
阿是穴と風池は必ず取穴する。配穴は頸部 腰 仙骨が一般的に多い。脱毛部分は密刺し、鍼を均密の密度で刺し、その方法は必ず、脱毛区の辺縁から螺旋状に中心部に向かっていく。その後脱毛していない部分から脱毛部分に向けて刺していく。
続いて風池穴か、百会穴に穴位表面に0、5ミリー1センチの直径で円を描いて密刺する。
頭皮の状態によって加減し刺激量を調節する。赤く充血していれば軽刺激で行なう。毎日もしくは隔日に行ない、15回を1クールとして各クール間は数日空ける。
治療効果——————–
治癒 頭髪がすべて生えて頭皮の厚さも5-7ミリ程度に回復した
著効 脱毛区の80%に毛が生えはじめ、脱毛が止まった
無効 治療の前後で効果があまりない。
1089例を治療し有効率は87、7%だった。
●体鍼——————–
主穴:百会 頭維 阿是穴 生髪穴 防老 健脳
配穴:えい明 上星 太陽 風池 外関 天井
生髪穴 風池と風府の線を結んだ中央
防老穴 百会の後ろ1寸
健脳穴 風池の下1寸
えい明 えい風の後ろ1寸
治療方法——————–
1回の治療で主穴から2-3穴選び、効果がなければ配穴を加える
阿是穴は脱毛部位で脱毛した中心に向けて横刺する。
防老は鍼を斜め前方に、沿刺で0、5寸刺入
健脳穴は鍼先を斜め下に1-1、5寸刺入する。
穴位は得気があった時点で止め、そのまま15-20分置鍼する。
毎日1回の治療で10回で1クールとする。
治療効果——————–
1345例を治療し治癒913例 著効 237例 有効127例 無効69例で
有効率は94、5%穴位は正確無比に取ることができるかがポイントである。
●レーザー鍼——————–
主穴:脱毛区
治療方法——————–
ヘリウムネオンレーザーを使い、出力8ミリワットで直接照射する。
各脱毛部分に5分ー10分程度照射し、1日1回治療し6回で1クールとする。
治療効果——————–
90例を治療し治癒64例 有効20例 無効6例
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