昼に母のところに行くと、母はやっときたといわんばかりに、言葉を発します。

 

よかった!やっと来た、

 

うん、来たよ

 

早くつれてかえって。待ってたんだよ。

 

え?どうしたの?

 

ここに長いこと世話になっているからさ、もう帰らないと。

 

どこに帰る?

 

いや、うちにさ、自宅に決まってるでしょ。ここにもう何か月も入院しててもうだいぶいいから家に帰りたいんだよ。

 

 

母の頭の中では、病院に入院していてそろそろ退院したいという話になってるようです。

 

 

うんと、許可を取らないといけないから、聞いておくからさ。今日のところは連れて帰れないんだよ。

 

え?許可がいるの?本人の申し出じゃないの?

 

うん。先生の許可がさ。自分でなんともないと思っててもダメな事もあるんだよ。ちゃんと検査をしないと。

 

そうか・・・それが終わったらいいってことだね?

 

それでなんでもなかったからだよ。

 

症状がないのに、ここにいるのは可笑しな話だよ。それに保険財政の無駄だよ。

 

うん、そうなんだけどさ。まだ歩けないし、便秘もしてたでしょ?

 

歩くのは歩けるのさ、こうやって車いすで座ってるだけで、あるこうと思ったら大丈夫だよ。

 

家の中は車いす対応になってないからさ。少し考えるから、待ってて。

 

そうかい・・あんたがそういうなら仕方ないけど、あまり長くは待てないよ。もうここにいるのも飽きたしさ。

 

そうだよね・・・同じ人しかいないしね。

 

人の問題より自分の問題だよ。なんか、家にいるのと違って焦っちゃうんだ。

 

そうなんだね・・・

 

 

母との今日の会話です。

 

話をそらそうとは思っても、ここを出たいという気持ちが伝わってきてそらすこともできませんでした。

なので、話を合わせてもう少しいないといけないっていう流れで話を作ってみました。

 

明日になれば忘れていてくれることを願って今日はここまでで僕は帰るとします。

 

 

今日は帰るからね、また明日迎えにくるから。

 

うん。明日はお願いね。もう一日だけここにいることにする。

 

 

介護士さんがやってきて、息子さんありがとうございましたといいます。

 

どうしたんですか?

 

朝から帰る帰るっていって、一応、ドアも全部鍵をかけて出れないようはしています。歩かないのでそれはないと思いますが、念のために。

 

ご面倒おかけして申し訳ないです。

 

そんな感じの昼でした。