痛風はプリン体代謝異常による疾病である。男性が主で高尿酸血症が特徴である。そのために痛風性関節炎が繰り返し尿酸塩結晶の沈着 痛風結節性の慢性関節炎と関節の炎症と関節の変形が発生し必ず腎臓を損傷して慢性間質性腎炎や尿酸による腎臓結石などをおこすなど一連の疾患を発生させる。

原発性痛風で最も多いのは急性痛風性関節炎である。それは急に発病し下肢の関節が好発部位で数時間で痛みがピークに達して関節と周囲の軟部組織に明かな熱痛があり夜中に発病するものが多い。

痛みは数日から数週間続いて完全に緩解するが、痛みの発作を繰り返す。これも鍼灸治療の主な対象である。この疾病は中国では少なかったが近年は栄養状態も改善され平均寿命も伸び、発病症例数は増加、日本も同様に増加傾向にある。

西洋医学では効果的な薬物はあるものの、病因に体する治療法はなく現在も根治する方法はない。

現代で鍼灸治療が本疾患に使われ始めたのは1981年が最初である。
1991年には大量の臨床報告が出回るようになった。

治療方法は体鍼だけに限らず、刺絡 火鍼 抜カン 皮内鍼 耳鍼 などがあり按摩 漢方薬 湿布などを併用して治療した例もある。

治療対象は急性痛風性関節炎が主だが尿酸塩の沈着を治療したものもあり、有効率は90%以上である。
多くの患者は1年の追跡調査でも再発しておらず優れた治療効果が示される事から、応用価値は十分にあると言える

治療——————–
●体鍼
主穴:1、足三里 陽陵泉 三陰交 2、曲池 
配穴:1、内踝側が太渓 太白 大敦  外踝側が崑崙 丘虚 足臨泣 束骨
   2、合谷

治療方法——————–
病変部位が下肢にあれば1の組を使い、上肢にあれば2の組を使う。主穴を主として部位によって配穴を加える1、5寸の鍼を使い 得気したら捻転手技をする。
急性期なら瀉法 回復期なら平補平瀉で治療する。
いずれも15分以上置鍼して、10分毎に運鍼するのが望ましい。
毎日あるいは隔日に治療し、7-10回を1クールとして、
各クール間は3日くらい空ける

治療効果——————–
82例を治療し臨床治癒70例 有効9例 無効3例で有効率は96、3%だった。

●刺絡——————–
主穴はニ2組に分ける
1、阿是穴 太衝 内庭 対応点 
2、曲池 陽池 陽渓 太衝 丘虚 太溪 陽陵泉 血海
阿是穴の位置 赤く腫れて熱痛の最もはっきりした部位
対応点の位置:健側手部で阿是穴と対応する部位

治療方法——————–
毎回1組をとるが、1と2を交互に使ってもよく1組だけでもよい。
1は一回で全部とるが、ほとんど患側だけをとる。2は毎回2~3穴を選び交替で使う。その中で、陽池と太渓、血海は患側をとるが他はすべて両側をとる。
まず針を刺し数滴の血液を絞り出し、患側の太衝と内庭に15度くらいの角度をつけて斜めに刺すその後置鍼する。
一部の部位ではカップをかぶせて3ミリくらいの血を出す。

治療効果——————–
治療方法 痛風患者53例を治療し臨床治癒31例 
有効22例 無効0例で有効率は100%だった。

●刺血と抜カン——————–
主穴:阿是穴

治療方法——————–
患者を臥位にして阿是穴を消毒したら七星鍼で皮膚を強く叩き出血させる。
注意:赤く腫れた部分を叩刺したらすぐに抜カンする。
一回で各部分から5~10ミリの淤血を出すとよい。
1週間に2回治療し、4回を1クールとする。

治療効果——————–
39例を治療し臨床成績24例 有効15例で有効率は100%だった。

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