血圧が低い方が健康的という日本には伝わっている話があります

 

130を超えると否応なく降圧剤飲みませんか??という話で、医師から降圧剤を出されることも多いでしょう。

ネットを見ていると、これを製薬会社の陰謀説だとして今までは140以上じゃないと降圧剤を出さなかったのに製薬会社は高血圧学会に圧力をかけただの、医師会の陰謀だの言う話も蔓延しています。

 

 

血圧は果たしてほんとに低いほうが健康的なのか、高いと病気になる率が高いのか調べてみました。

 

現在高血圧と言われるのは収縮期血圧が130以上でこの時点では薬などは出さないことが多く、140くらいが高血圧症の1度と言われます。

140以上で下の血圧が90以上であれば、薬物投与の対象になります。

130以上では生活の見直し、特に運動やストレスなどの有無を考えることで解消されることもあります。

 

 

データを見てみます。

 

アメリカで行われたSPRINT試験というのがあります。

大規模な高血圧と死亡率の因果関係を調べた試験です。

 

験期間 2010年〜2015年(中間報告で早期終了)
対象者 約9,300人(50歳以上の高リスク者)
対象の特徴 糖尿病なし/心血管リスク因子あり(例:慢性腎臓病、心疾患既往)
比較した治療目標 標準群:<140 mmHg vs 積極治療群:<120 mmHg(収縮期血圧)
追跡期間 約3.26年(途中で効果が明らかになり中止)

 

 

これによると、140以上の血圧の人と薬物等で下げた方(積極的治療群)は、 総死亡率26 %減、

  心血管死亡43 %減、
 心不全38 %減でした。

 

これはかなり下げた方がいいという結論になります。

ただし、以外なことに、高齢者を調べた別のデータが存在します。

 

報告は日本です。

静岡県大規模コホート研究(65歳以上、約34万人、平均追跡5.3年)では、75歳以上の高齢者において収縮期血圧が 120–129 mmHg を基準とした場合、
 - 110 mmHg未満では全死亡リスクが約14%増、
 - 150 mmHg以上では約16%増という結果でした

 

つまり、110以下の低い血圧は死亡リスクが逆に高まります。

もちろん高くてもです。

 

120前後に収縮期血圧を、80前後に拡張期と調整をすることが大事です。

特に、高齢者は低い血圧は認知症が高まる報告もありますので要注意なのです。