腫瘍は成熟したり発育中の正常細胞がいろいろな原因によって極端に増殖したり、異常に分化してできた新生物である。悪性腫瘍のこうした増殖や分化はでたらめで、組織を浸潤したり破壊したりする。悪性腫瘍は治療しても再発しやすく、末期では悪液質になる。

悪性腫瘍の鍼灸治療は古典の中に類似の記載がみられる。たとえば、霊枢・四時気に飲食が飲み込めず、隔が塞がって通らない時は邪が胃にある。上かんに刺針して下に抑え、下かんに刺針して散らすとある。備急千金要方では腫れて堅く根があるという石癰の灸治療の記載がある。

明代の張景岳も治療穴をあげて、乳岩の治療を類経図翼に記載している。同時代の揚継州も病因や病機について脾が絶えて胃が枯れた症であるとしている。

古代に蓄積された治療経験は現在でも参考になるものが少くない。

現代の鍼灸を応用した癌の治療でもっとも早いのは1950年代の初めである。しかし60年代になっても個人のカルテ形式のものばかりで、内容も乳癌、子宮頸癌、食道癌に限られていた70年代になって複数の症例を治療した文章が増えて、さまざまな穴位刺激方法をつかって癌の治療が始まった。

実際の治療効果と臨床にはもちろん、事実にもとづく分析と評価が必要である。80年代からは国際的に活躍している鍼灸に従事している中医師からさまざまな治験の発表が相次いだ。

診断面で観察を繰り返した結果、悪性腫瘍の患者の耳介には対応した部位に隆起物や、癌点(蝿の糞のような)などの陽性物、特殊な反応が現れることが発見された。

また良導絡では癌患者を測定すると、病状の程度によって良導点が現れることがわかった。治療面では資料に基ずくと鍼灸治療は主に、食道癌、子宮癌、胃癌、および皮膚癌の治療に使われるとともにその他の悪性腫瘍にも痛みなどの症候群に有効であり、癌の鍼灸治療は患者の症状を改善するだけではなく、延命、患者によっては癌を縮小させたり、消失させたりする。悪性腫瘍は痛みがもっとも強く、激しい症状であるが、中国やロシアでは体針と耳針を使い、脳腫瘍、乳癌、胃癌、肺癌、直腸癌などによる不眠や痛みにも効果があり抑制することを実証している。

穴位の刺激方法では、刺針の他に灸、電熱針、皮内針、刺絡、などし穴位埋植なども使われる。刺針の方法も体質が頑丈なものは涼写法 平補平写 弱いものは極補などの手技がとられる。

鍼灸の癌に対する治効メカニズムも多くの研究がされていて、現在は悪性腫瘍は主に身体の免疫と生物電気の問題と考えている刺針は肝臓の細網内皮系細胞の活動を活発にして、腫瘍細胞を食べたり免疫能力を高めて新陳代謝を促進する。次ぎに癌細胞は細胞分子の酸化によって生物電気活性が低くなっているが鍼灸は細胞の生物活性を強力に刺激する。最近の研究では鍼灸が向上させる癌患者の免疫機能は多岐にわたり、抗腫瘍のエフェクターT細胞にのみ作用するのではないことがわかっている。

治療—————–
食道癌 胃癌
取穴 主穴は二組に分ける
①大椎 身柱 神道 霊台 挟脊穴胸8 脾癒 胃癒 三里
②中かん 章門 足三里 行間 三陰交 膈癒 豊隆 公孫
配穴:食道上段の癌には天突 せん機 華蓋 を加える
:食道中段の癌には紫宮 玉堂 檀中を加える
:食道下段の癌には鳩尾 巨けつ 中庭を加える
胃癌には上かん 中かん 下かんを加えるさらに相応する挟脊穴を使い
食道上段は頸部6ー胸2番 中段は胸2-6番 下段は胸7-10番
胃癌は胸11-12番を使う。
治療方法 主穴の①組は督脈から2穴とるか、あるいは肢体の穴を一対とり麦粒大のモグサを使い直接灸をする。

②組は1-2穴を選び病変部に合わせて配穴する。刺針は26号2寸の針で身体が弱っていれば小さく10-20回堤挿し、身体が屈強であれば強刺激で大きく30-40回は堤挿する。1週間に3回は治療し15回を1クールとして一度休む。2組を交互に使ってもよいし、1組だけでもよい。患者の状態によって決める。

第2クールは配穴だけを使う。

第3クールは10回を1クールとして治療する。これを繰り返す。

治療効果——————-
治癒:飲食が正常となり身体も健康でX線撮影でも所見で腫瘍が消失、食道から細胞診をしても癌細胞は見つからない。

有効:燕下困難が明らかに軽くなり流動食や普通の食事ができX線撮影でも病変部位が明らかに縮小しているがまだ残ってる。

無効:症状の改善がない、もしくは悪化した。

353例の食道癌と胃癌を治療 そのうち50例は漢方薬も内服 有効24例(48%)無効26例(52%)で有効率48%残り303例は放射線療法 化学療法 手術 漢方薬などを併用し5例は治癒 1例は有効 残り297例の末期患者は癌がなくなったものは0、99% 縮小したものは1、65% 症状に対しての有効率は96、37%だった。

肺癌———————–
電熱堤針 本法は主に肺癌の治療に用いる
取穴:十二井穴

治療方法———————-
十二井穴の一対を取り、電熱針で強烈に感伝させ気を病巣部に送る。治療時の室温は20度-25度で穴位の温度は20度以上にする。

堤針の先端温度を35度ー38度くらいにするか、耐えられる温度くらいに調節する針先で刺激したときに指先から病巣部に刺激を伝わるようにする。刺激に強さは心地よい程度として1-2回/秒で1-2分程度の刺激をするもし、病巣部まで感伝がなければ、あったところに同じことをする。
6回-12回を1クールとしてクールとクールの間は3日間休みをいれて繰り返す
治療効果 著効 症状、状態ともはっきりと好転し普通に仕事が行なえる肺の腫瘍は縮小したか消滅有効 症状や状態がよくなった
無効 治療の効果なく状態が改善なく死亡した
14例の肺癌患者を治療し、著効4例(28、6%) 有効7例(50、0%)
無効3例(21、4%)で有効率78、6%だった。

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