母が少し太ってきたと介護士さんから言われ、まあ確かにと思っていました。
考えてみると、骨折前だから去年の2月、いや、もっとさかのぼると父が亡くなった8年前から円山に住み始めた間の5年間は僕もちょくちょく実家に戻っていたわけではありません。
どうかすると、一か月戻らないなんてこともありました。
土日毎の東京の業界団体へ出かけ、副理事長になんてなって名刺を持たされて国会議員とお会いして折衝などしたりしていたのです。
もっと実家に戻っていればよかったと思うことが沢山あります。
母はやせていたんです。
考えてみると、認知が始まったのはきっと一人暮らしで住んでいた時に始まっていたはずです。
気が付いたときには冷蔵庫には賞味期限が数か月前に切れた卵や、牛乳は何本も入っていて、冷凍庫には何年前のものかわからない魚や冷凍された肉があるのです。
もはや入っていることも忘れていたのでしょう。
ソファの下には、数か月も何年も前の新聞が突っ込まれ、掃除もしなくなったトイレには数年も使っていないトイレブラシの柄にごみがたまっていたのです。
僕はなにをしていたのでしょう?
東京にいって議員に会ってもなにも成果を得られなかったと思っています。
鍼灸の健康保険は、一歩ずつですが前進はしていっています。
日本では海外の各国のように病院の医療に入り込むのはかなり困難で、大きななにかがないと無理でしょう。
たとえば、薬というのものがまったく危険になったとか、人間の体が突然に薬品に対してアレルギーで
使えなくなり、他の手段を取らざるとえなくなったとか。
ありえない話ではないのです。パンデミックなんてこともあったんです。
母は一人暮らしの時は今よりは10キロはやせていたと思います。
それだけ食べていなかったのです。
僕が気が付けばよかったのですが、気が付きもしなかった。
お母さんは今が一番幸せなはずだよ、なんにも考えることもなくってさ、なにも心配いらないでしょ。
だから今は人生の至福な時だよ。
誰かがそう言っていました。
ほんとにそうであることを祈るのです。