今日は母とやっと少し会話ができたんです。

 

もうなにもやる気がない。何をするのも面倒になっている。これが年取ったってことだよ。

 

 

そう?ご飯は食べれるし、ちゃんと寝れてるから元気だよ。まだまだ大丈夫。

 

 

あんたさ、それがいいとでも?こんな風に生きていくのは何のためなんだろうと思うよ。

 

 

昨日お客さんきてたみたいだね。

 

昨日?誰も来てないと思ってるけど、誰かがあんたに行ったと言ってた?

 

うん。そう聞いたよ。

 

ほら。それすらも覚えていない。もうそんなもんだよ。

 

そうか。覚えてないからといって気にすることはないよ。

 

気にしちゃいないけどね。でも、そんな事も忘れるんだなと思うんだよ。

 

そうか。・・・まあ、明日は午前中においしいもの買ってくるからさ。

 

美味しい物?なにがおいしいのか、もうわかんないよ。

 

外は天気がいいね。

 

うん。晴れてる空を眺めているのは好き。子供の頃から空が好きだった。まだ幼い頃に、草むらで大の字になって寝た。空が青かった。

その空も今も変わらない。時間がたっても変わらないものは、空だけだ。

 

うん。

 

根室の空は広く感じた。札幌にきて空が狭いと思ったよ。

 

そうだね。田舎の空と都会の空は広さが違うよね。

 

そう思った。それからしばらくは空なんて見る余裕がなかったけど、この年になってまた見ると同じ空なんだなって思うよ。

 

うん。

 

もう体も思うように動かなくなった。足腰も立たなくて。

 

うん。

 

次にどこがダメになるんだろって恐怖はあるね。

 

うん。

 

あんたはどこがダメになると思う?

 

どうかなぁ。わからない。

 

それは言えないか・・わかっても。まあ、そうだよね。

 

・・・・

 

90歳を過ぎた母の空を見た感想が印象的でした。

 

僕も子供の頃に空を眺めていました。

 

時には1時間も2時間も。

 

今はそんな余裕などなく、眺める時間がありませんが、再び長い時間眺めることができるのは年齢をある程度とってからなんでしょう。

そんな思いを胸に帰ってきました。