顔面痙攣はチック症とも呼ばれ、顔の半分が不随意に痙攣する疾病である。痙攣は不規則に起こり、発作性。程
度も一様ではない。疲労や精神の緊張、運動などでひどくなる。最初が眼輪筋から始まり、顔全体に及ぶ。
中年以降に多く、女性に起こりやすい。原因は血管の圧迫が多いが、現代医学的には手術しか方法がない。
顔面痙攣の現代の鍼灸治療は遅くても1960年代には始まっていて、1965年には皮内鍼で効果を上げている。70年代になると深刺して置鍼する方法や、健側のみに鍼をして患側には鍼を刺さない方法や、痙攣している筋肉に穴位注射をする方法などしてある程度効果が上がっていた。
80年代からは顔面痙攣の治療を鍼灸界が重視しはじめ、観察した症例数も飛躍的に増加しただけではなく刺灸方法がいろいろな面から模索され始めた。そうして業刺法、顔面神経幹刺激法、皮部浅刺法 及び行気法など独特な刺法が誕生した。
伝統的な刺灸法を使って効果が薄いときはこうした方法を使うとしばしば功を奏した。
現在は本病をいろいろは刺灸法を使って治療することにより、その有効率は80%前後となった。
顔面痙攣は治りにくく、再発しやすい疾病なので患者は辛抱強く治療しなければいけない。
治療——————–
●神経幹刺
主穴:阿是穴
配穴:眼輪筋痙攣には魚腰穴と四白を顔筋痙攣には迎香と承漿を加える
阿是穴の位置:患側の耳垂の前にある珠間切痕と耳垂の付け根を結んだ中点、あるいは乳様突起先端前縁の下5ミリ、その深部は顔面神経と黄砂するもっとも近い部分でほぼ下顎枝後縁の後ろ約5ミリである。
治療方法——————–
普通は主穴と合谷穴だけを使い、その他の穴位は症状によって選択する。
阿是穴に28号の長さで2、5~4センチの鍼を使い、阿是穴と合谷穴とに刺入する。
当たると患者は耳の深部に痛みを感じたりすることも多く、術者の手には弾力性のあるものにあたった感触がある感じがする。
この阿是穴と合谷穴にパルスを流して親指と人差し指がぴくぴくするくらいにすると、顔面筋が弛緩してくる。あまり強くすると、顔面神経麻痺になるので注意を要する。
そこまでの刺激が必要なければそのまま20分程度置鍼するくらいで筋肉は緩んでくる。
治療効果——————–
:著効 患側の筋肉が弛み、痙攣が止まった。
無効 痙攣の程度や回数が少し改善したか変化がない。
110例治療して著効 107例(97、3%)
無効3例 (2、7%)で、有効率97、3%
●業刺法——————–
主穴:主穴:阿是穴
配穴:四白 魚腰 賛竹 迎香 挟車
阿是穴の位置 顔面痙攣の起動部
治療方法——————–
主穴はいつも使い、業刺法を採用する。30号~32号の鍼を使い、
15本ほど使って阿是穴に浅刺する。5ミリ~1センチ間隔に密集させて配列するかバラバラに散鍼して針先部分を皮膚の小さな丘のように盛り上がって鍼を吊るしても落ちない程度に刺入する。
配穴は顔面痙攣してる部分から2~3穴とり、これも浅刺する。20~30分置鍼する。1日一回治療し、10回を1クールとする。
治療効果——————–
鎮静ー平静の状態や誘因があっても顔面が痙攣しない。著効ー平静の状態では顔面の痙攣発作が起きないが、誘因があると少し跳動する。ただし、回数も明らかに減少し痙攣も弱く、範囲も小さい好転ー平静の状態では顔面の痙攣ははっきりしないが、誘因があるとすぐに発作が起きる。
しかし程度は以前より軽い。無効ー1クール以上治療しても症状の改善が見られない。
30例を治療し、上と同じような基準で評価すると鎮静18例(60%)
著効5例(16、7%)好転7例(23、3%)で有効率100%だった。
本法は簡便で実行しやすいが、治療を継続する事が大事なことである。
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