いつものように、母の施設に行きロビーに入りおやつをもっていきました。

それをロビーの受付の方に渡して、よろしくお願いしますと伝えると、受付の方が、渡辺さん、ちょっと待って。

 

 

はい

 

 

少しだけまってて下さい

 

そういって、受付の方が上に上がりました。

なんだろ・・・もしやなにか問題が?コロナに感染したのか?などといろいろ考えていると、再びやってきて

渡辺さん、2階に上がってください。10分だけですが面会可能ですよ。

 

 

え??そうなんですか?いいんですか?

 

はい。大事をとって来週からと言っていますが、規定上はもういいはずなんです。今私が上と話ししてきましたら、2階の施設長も同じ考えでした。渡辺さんならいいでしょうということです。

 

はい、ありがとうございます!

 

そういって深く頭を下げると受付の方は、渡辺さんを見てて、なにか力になれることがないかなと思っていたんです。今日いらっしゃったら交渉しようと考えていました。やはりあなたは来られた。予想通りに。

 

そういわれ、深く頭を下げた後に急いで二階に上がりました。

 

二階では母がほかの介護士さんに起こされて起きたところでした。

 

申し訳ありません。ありがとうございます!

 

そういって早々に部屋に入りました。

 

10分だけって言われたから、10分いるね。

 

うんうん。久しぶりにあんたの顔を見た気がするね。元気だったかい?

 

うん、元気だよ。施設内でコロナが出てさ、それでこれなかったんだよ。わかる?

 

いや、そういう細かい話は聞いてないのでわからないけど、なにかで来れないんだろうなとは思ってたよ。

でも私は元気だから大丈夫。

 

テーブルの上を見ると、たくさんのおやつ。おそらく僕が買ったものでしょう。

 

おやつ食べなかったの??

 

うん。・・・いや食べたんだけど、袋を破く力がなかなかなくって。・・・・

 

 

気が付いていませんでした。そっか・・・袋を破くのも大変になってしまっていたんです。

 

一個ずつ個別包装してるものはどうしても細かい袋になってしまいますので、高齢者になるとそれも大変なのでしょう。

 

もう時間だから今日は行くね、月曜には普通にこれると思うからまた来るからね。

 

いやいや、あんたは今の人を相手にしなきゃ。私はもう昔の人だよ。老いていくだけの人間だから、ほっといてもいいんだ。

 

そう言って笑っていました。