午前10時過ぎに母の施設にはいると、ちょうど内科医の先生がいらしていて、言い合いしているように見えました。
僕の姿をみつけて、内科医の方はほっとした様子で、息子さん、お母さんがどうしても採血をしないというんですよ。なんとか説得していただけませんか?
採血?ですか?
はい。先月も先々月も拒否されて採血できなかったんです。血液検査をしないといけなくて。
わかりました。話してみます。
ねえ、血を取られるのが嫌なの?
理由はあるんだよ、まず私は内科の診察を頼んでない。人間違いだと思って言ったら確かに私だというんだよ。
うんうん。
往診ってのはこっちが頼んできてもらう事でしょ?たのんでもいないのになぜ?具合も悪くないし。
いや、具合悪くないのは便秘薬を飲んだり、胃薬を飲んだりして薬で保ってるからなんだよ。
なにも飲んでないよ。
いや、飲んでいるのさ。だから定期的に血液検査で内臓の状態を調べなきゃ。
それに、私は高齢者だよ。血液抜かれたら死んでしまうでしょ?血圧も低いのに。
それほど取るわけじゃないよ。取ったら少し食べて血液を作ればいいんだよ
食べるって?なにを?
美味しい物だよ。なんか買ってきてあげるよ。
子供じゃないんだよ。食べ物につられるとでも?
今日はつられてみてよ。僕もいるんだから僕の顔も立ててさ。
仕方ないね・・・意味わかんないけど血を取られてあげるよ
息子さん!すごいすごい!すごい手腕ですね。
え?いやいや、家族じゃないとできないですから。申し訳ないです。
でもすごかったです。話を聞いていましたが、きちんとツボを押さえてるし。
ありがとうございます。
母は一応黙って採血をして、聴診器をあてられて一応の診察が終わりました。
息子さん、今日はありがとうございました。これで今日も拒否されたら3か月連続で採血できないところで、次回の書類を出すのも問題になるところでした。
感謝です。
今は疾病になったからといって医師にかかるわけではないのです。
医師の役割は、昔とは違い介護保険の認定の時の意見書や、継続の際の時も意見書や同意書も書かないといけません。
それだけ業権が広がったという見方もありますが、母の世代の頃は、きっと疾病治療のみが医師の仕事だったのでしょう。
なんにせよ、今月は無事に終わったのです。

