日のお休みも母のところに行ってきました。午前中のうちの母親はあまり眠くてはっきりせず、会話もままならない様子でしたが、突然に非常ベルが何度も鳴り響きます。
なにかの訓練かなと思い、周りを見渡しても燃えるものも匂いもなく、火事ではないなという感じでした。
やはり認知症の高齢者の施設ですので、入所してる方は誰一人、非常ベルを気にしてる人はいないようです。

母は、なんだいこの音は?とやたら目がぱっちりしています。

急いで介護士さんのところにいくと、確認しますという事で、全館を調べにいきました。
5分もしないうちに戻ってきて、この建物自体の消防の点検でした。大丈夫ですと伝えてくれました。

母になんでもないみたいだよと伝えました。

訓練?点検?事前にちゃんといわないとびっくりするよね。

うん。そうだね。事前にはなにか必要だったね。

まあ私らは、言われたところでなにもできないんだけどね。火事になったら待つだけだから。

助けをだね。

助け?いやいや、死神さ。

あ~。そっちか、いやここは2階だからさ。燃えることはなんとか降りれるから。

二階だって、一階だって、私は足がダメだから。もう助からないよ。

ううん。大丈夫だって。

そっか・・・助けてくれる人がいれば助かるね。

うんうん。だから大丈夫。

火事になった事は一度もないからさ。生まれてから。子供の頃にもない。

あんたのおばあちゃんが火だけはうるさかったからね。だから火災だけは厳しかった。

昔は暖房も、料理もさ、火を使ったからね。

今は何を使うっての?

電気だね。暖房も火を使わずにいることが進んでいるし、ガスを炊いて煮炊きすることはもう終わったんだよ。今はIHだね。

時代が変わったね。火を使わずに調理ができるなんて事は昔は想像もしなかった。石炭やまきからガスになり、今度は電気だ。

うん。今はね。これからはもっと違うものになるかもしれないよ。

そう?なんだい?それは。

わからない。もう家で調理するって時代は変わっていくのかもしれない。

ふーん。まあ、私は後数年だし、もう作る事もないからいいんだけど、あんたはまだ時間が残ってるからね。その時代に突入するよ。

うん。

時間が流れていくってこういう事なんだね・・・

母はしみじみと語っていました。