小学校の卒業文集というのがあったのですが、そこに将来になりたい職業というページがありました。
皆、いろいろ書いていますがバスの運転手さんだったり看護師さん、医者、学校の先生。
小学生らしいいろいろな職業が列記されています。
これが中学とか高校となるとまた変わってくるのでしょうけど、小学生レベルだとそんな感じでした。
ところが僕は裁判官と書きました。
当時の担任の先生が、教師になって30年くらい経つけど裁判官って書いた小学生は初めてだよ。と言っていました。
ちなみになぜ裁判官になりたいと思うんだい?
そう聞かれました。
その頃は世の中は政治不信で数年前にロッキード事件など大きな政治の腐敗が進んでいた時期でもありました。
それを正すのは裁判官だろうと勝手に考えたのです。
世の中を直したいんです。汚職など許せなくて。
そうかそうか。おまえはそう言う子供だったな。
正義感が強く、そのせいでクラスの他の子と喧嘩になった事もしばしばあったくらいでした。
いつか、裁判官になった姿を見せてくれ。俺の生きているうちにな。
当時50歳くらいの先生でしたので、もうすでに世の中にはいないかもしれません。
そんな話を今日、母の施設に顔を出してなぜか思い出しました。
僕が小学校の卒業文集でなんて書いたか覚えてる?
うん?卒業文集?覚えてないな。
母が覚えているわけはありません。
あんたはさ、不思議な子供だったからきっとなにか不思議な事を書いたんでしょ?ありきたりの話じゃなく。
うん、そうかもね。
何だと思う?
うーん。宇宙飛行士とか。
そんなロマンチストじゃないんだよ。
そうかい?占い師になりたいとか不思議な事を言い出すんじゃないかな?きっと。
確かに言いそうだね。答えは裁判官だよ。
あ、なんか見た記憶があるな。でもあんたらしいよ。
そう?
なんか妙に正義感ぶってた。こんな性格じゃ世の中生きずらいだろうなと思ったものだよ。世の中は曲がったものや曲がった事ばかりだろ?正論が通じないし、正論じゃもうからない。それが会社だし、世の中だから。
そうだね。今ならわかるよ。
そうだよ。今の世の中は真面目な人ほど損をするから。
母の一言が重い気がしました。

