今日の母はすっきりしていて、昨日までの曇り空が晴れているような感じです。

あら。今日は遅い出勤だね。

うん。今日は午後からだから。

あんたも少しづつ仕事を軽くしていった方がいい。人生は働くことだけじゃない。この年になって思うよ。

この年って・・・もう90歳を過ぎたんだから今から?

いやいや、でも私はずっと仕事してたからね、今から思えば
働かざるもの食うべからずっていう諺知ってる?

うん、知ってるよ。

このことわざのせいで、私はずっと働くことこそが正義だと思っていた。

うんうん。

実はこの諺を逆に考えている人は実に多いはずだと思います。
母の言葉を聞いていてそう思いました。

母はこの諺を、働いて金を稼げないものは食べるなくらいの意味合いで言ってるのだと思います。
実はこの諺の発祥は日本ではありません。
聖書にもありますが、解釈されたのは1600年代のヨーロッパです。

当時は、お金持ちでかなりの階級が上の方は、仕事もせず遊んでばかりいました。
お金を稼ぐという意味合いでこの言葉は言われませんでした。
この遊んでいる高級な階級の人達をうらやんで、働かざるものは食うべからずというように言ったものなのです。

日本に伝承するうちに、いつしか貧乏な階級や、病気を抱えて働けない人、主婦、子供にも使われ一家の主である旦那さんが一番偉いかのように扱われました。

俺の金でおまえらは食べてるんだという風潮はまさにこの諺で発生したものではないでしょうか?

本来は怠けるとか怠惰な生活を送っている人に言われた言葉だったのです。

今さら母に、それを言うのもの意味はないでしょう。

仕事をしていないといけないという考えは間違っていたよね・・きっとこの諺を言った人は弱いものを
無視していったひどい人間なのかもしれない。

母は相変わらず鋭いなと思った日でした。