母のところには午前のうちに行ってきました。ちょうど内科の診察日で血圧も体温も血中酸素飽和度も正常でした。
ないも問題ありませんよ、よかったですね。
よかないよ。まだまだ死ねないってことだし。
いやいや、まだまだこれからもお元気で長生きしましょう。
長生きしてなにがあるの?なにか良いことでもあるの?
今はわからないけど、きっとありますよ。
なにもないよ。こんな毎日なら意味がないよ。
そんな事言わないでね。元気で。また来月きますね!
そう言って医師は帰っていきました。
母の矛先は僕に向きます。
ね、あんたはまだ若いし、カラダも動くから今長生きしてねって言われてもうなずけるだろうけどさ、私の年齢になって、長生きしてねって言われてうなずける?
うーん。どうかな。
でしょ?こんななにもない毎日を何年も先が見えないのに、過ごすの?
これからいい事もあるかもしれないじゃん。
なにがあるの?車椅子であるけなくなったし、風呂も一人じゃ入れない私に、なんの未来があると?
私は認知症がもっと進んだらきっと楽なのかもしれないけどさ。中途半端に馬鹿だからさ。こんな事に
ひっかかると先に進めないんだ。
そうかもね。
こんな施設に閉じ込められて、歩けないし、食べれない。残りの人生がどのくらいあるかもわからない。
でも、楽しくもない毎日。
どう過ごすといいというのさ。
うん・・・
あんたもさ、90歳を過ぎたらきっとわかるよ。私の気持ちが。今はわからないだろうさ。
80歳代でもさ、私は明日になればって思えたよ。でもさ90歳になると明日になれば楽しい事があるかもって一個も思えない。
お母さんの年齢まで生きた人を僕はあまりにも知らないからさ。だからちゃんと返答できないのは申し訳ないと思う。
宗教では死ぬまで修行だなんていうけどさ。
明日があるから修行ができるわけで。お母さんの明日が見えないのになんのためだっていうのはよくわかる。
なんか答えが見つからないかなと思って考えてみるからさ。
うん・・・そうして。あんたのいうとうりにしてみるから。
このままじゃ、死んでるも一緒だよ。
母の言葉にハッとするのです。
どうしたらいいのでしょう?
