小学生の頃は心臓病に加えて小児喘息でもありましたので、外で遊ぶと喘息発作がでてしまい、みんなと放課後に外で遊ぶとかってことはありませんでした。

まっすぐに学校が終わると自宅に帰るのですが、自宅周辺の空き地で一人遊んでいることが多くなりました。
一人で公園で遊ぶという子供は今でも見かけますが、遊ぶ相手はきまって虫達です。つまり昆虫です。
僕は公園で一人、ありを見つけてアリを追いかけていました。

毎日公園にいくうちに、種類が何種類かみつかります。

赤いアリや黒いアリ。
赤いアリは、体長が2ミリ程度で赤褐色。黒アリは大きいものは1センチにもなるクロオオアリなんてのもいます。

小学校2年の頃に母に昆虫図鑑を買ってほしいと頼むと、母は古本屋に行って学研の昆虫図鑑を買ってくれました。

毎日毎日それをもって学校にもいき、公園でアリを見つけて図鑑で形を比べて、アカアリに違いないと確認したり、狂暴で人間には害をなすヒアリなども存在することを知ります。

ある日苫小牧でヒアリが見つかったというニュースがあり、先生がアリには注意するようにと言われました。

すかさず、先生、ヒアリは札幌にはあまりいないと思います。外来種ですから港などの船に入りこんできたんじゃないでしょうか?

渡邊、よく知ってるな。他には情報はないのか?

ヒアリは特有のフェロモンを出し、一匹が攻撃されると、他のアリが集まります。このフェロモンに集まるという事はわかっていて、しかも毒を持っています。普通のアリはただかむくらいですが、ヒアリは毒を流し込みます。
一匹の毒の量は大したことはないでしょうが、何千、何万となればきっと致死量を超えます。

すごいな。おまえは昆虫博士だな。

みんなから拍手をもらい、一躍昆虫博士と呼ばれるようになります。

ただ、アリにだけ詳しかっただけだったのですが。

それからというもの、博士の名前に恥じないように蝶々やトンボの研究を図鑑を読み漁りボロボロになるまで読み漁りました。

実はこの図鑑ですが、5年前に実家を解体するときに出てきたのです。

母は僕が家を出た後もこの図鑑を捨てずにいてくれたのです。

懐かしい‥この図鑑だ。

そう思い、ずっと手にとって眺めていました。